南魚沼市の二十歳の誕生日の令和6年11月1日、ゆきぐに大和病院と同じ規模の13の診療科を有するとともに新たに様々なご相談に対応する「まちの保健室」を設置したゆきぐに大和診療所、それから南魚沼市民病院と同じ看護師数で新たに24時間体制を行うゆきぐに大和訪問看護ステーション、また同じく南魚沼市民病院と同じ数のケア・マネージャーを配置したゆきぐに大和ホームケアステーションの3本柱からなる大和地域包括医療センターを仲公正先生をセンター長としてスタートすることが出来ました。
また、これまで、4つの入院ルート、即ち、外来、訪問診療、特養、そして魚沼基幹病院からゆきぐに大和病院で受け入れていた患者さんについては、その受け入れを段階的に南魚沼市民病院に集約することとし、この半年間で約100名の大和地域の患者さんについて、全員、南魚沼市民病院の方で、お一人おひとりの多様な病状に応じ、急性期病棟、地域包括ケア病床、回復期病棟とほぼ均等に受け入れることが出来ました。また、本年4月にスタートしたゆきぐに大和訪問看護ステーションの利用者数も60名と当面の目標の100名に向けて順調に伸びてきておりますので、市民の皆さまにはご安心して頂きたいと思います。
加えて、特養である八色園や雪椿への訪問診療、在宅患者への医師や歯科医師の定期的な往診、お看取りなどの在宅医療、後山や辻又へのへき地巡回診療など、これまでの活動については今までどおり継続してまいります。
一方、地域には、診療所の外来の4〜5倍の潜在的な支援が必要な住民がいると言われています。今後は、外来で薬を処方するだけではなく、4つの地域づくり協議会にリハビリ技師や栄養士などが出向いて、食生活改善推進員や民生委員の方々と共同で健康づくり活動の支援や地域での認知症の見守り、社会福祉協議会議との連携など、これまで病院では出来なかった所謂社会的処方も進め、20年後の地域のありようを見据えなから、公助だけでなく、自助、互助、共助も駆使しながら南魚沼市の医療のまちづくりを推進していきたいと思います。
高齢化の伸展に伴い、加齢という観点からは、現代医学ではどうしても完全には治すことや救うことができなくなってきていますが、一方で、地域住民お一人おひとり、癒すことや、病気を抱えて生きるを支え続けること、そしてお看取りすることは可能であると考えています。そして、こう言った地域住民との双方向の関係性の積み上げを通じて、結果的に皆様から選ばれ、頼られ、そして愛されるセンターでありたいと願っています。
ゆきぐに大和病院は、かって1970年代、我が国の農村医療を牽引して来ました。その精神を南魚沼市病院事業でも引き継ぐとともに、大和地域の成果を市内全域に拡大していきたいと思います。最後に、大和地域包括医療センターは、まだまだ発展途上であり、試行錯誤も続きます。職員一同、頑張りますので、多くの皆様のご指導を宜しくお願いいたします。
令和6年11月1日
南魚沼市病院事業管理者
外山千也(とやませんや)